資料3

十和田自然保護官事務所訪問報告

 

と き   2011.9.2(金) 13:00〜14:20

目 的   @首席自然保護官、自然保護官とも交代したので表敬訪問

 A6/17県へ要請した回答に有った「南八甲田登山道維持・管理方針」をいただく。

 B3/17私のお尋ねの回答の確認

経 過

北橋首席自然保護官に2008/11本省勤務か尋ねる、本省勤務とのこと、私が日本勤労者山岳連盟の一員として南八甲田登山道問題で要請した時、同席した方でした。奇遇でした。

成 田 2007年貴省に山岳三団体共同で南八甲田登山道整備を要請し、「協力の申し出で有りがたい、早急に対応したい」との回答をいただいてから4年経つが、良くなるどころか廃道化が進んでいる、南八甲田登山道を廃道にするつもりですか?

北橋 そんなことはない、現に櫛ケ峰線は刈り払いしているではないか。

ただ、南八甲田は北八甲田と違い、原生的自然保護の視点から北八甲田のように、誰でも快適に歩けるようにするつもりはない。

成 田 原生的自然を守るということはわかりますが、櫛ケ峰線はいくら注意しても木に頭をぶつけてしまう、とても登山道と言える代物でない、乗鞍岳線、駒ケ峰線は廃道化が進んでいる。我々は20年前の登山道に戻してほしいだけだ。

北橋 歩いて見て櫛ケ峰線の現状はわかっている、今年はササだけでなく木も切るつもりだ。ただ、乗鞍岳線は黄瀬沼の現状から、刈り払って多くの人を通すのはまずいと思っている。

成 田 黄瀬沼への下り口の湿地帯を歩くのが問題なら、ルートを変更するとか工夫すべきだ。

また、昨年のササ刈り時、要項の「植物が体に触れ、登山の妨げになるという理由では実施しない」には同意していない、要項を決める場に登山団体を呼んでほしい旨要望し、連絡協議会に伝えるとの回答をえているが、どうなっているか?

北橋 ?(伝えて協議したか、知らないそぶり)2、3年前に決めた要項をそのまま踏襲している。

成 田 2008年9月以降、我々を呼ぶ会議を開いていない、要項を決める会議に是非呼んでほしい。

北橋 この場で開催するとは言えない、検討します。

成 田 櫛ケ峰線は元は自動車道で広い、わざわざ水だまり等の悪路を歩かせるロープ設置は考えてほしい。

北橋 一律に張るつもりはない、現場現場で適切に張りたい。

成 田 南八甲田の自然を守るには、南八甲田の素晴らしい自然に触れ、大切にしようと思う気持ちを持ってもらうことが大切と思う。登山はその主要な手段である、そのため登山道整備は必要である。

北橋 (うなずく)

成 田 県の回答にある「南八甲田登山道維持・管理方針」、さらには平成21年度策定の「地域整備計画」のコピーをいただきたい。

北橋 「南八甲田登山道維持・管理方針」のコピーは今準備出来るが、「地域整備計画」は分厚いので後日関係個所をお渡しする。

成 田 ありがとうございます、「地域整備計画」は宜しくお願いします。

 

感 想

 北橋首席自然保護官は話のわかる方とお見受けした。

 連絡協議会は、我々を呼ばないで開いていると思われる。(2008年9月以降は我々には声がかかっていない)前も呼ぶ会議と呼ばない会議が並立していたかも?

 「南八甲田登山道維持・管理方針」は地域管理計画と同じと軽く考えていたが、帰宅後読んだら具体的な方針が書かれてあり、その内容に怒りが込み上げてきた。

 それによると、櫛ケ峰線は「短期計画」(当面3年以内に行う)になって刈り払うことになっていたが、乗鞍岳線・駒ケ峰線は「中長期計画」にくくられている。廃道化の進む乗鞍岳線・駒ケ峰線は棚上げされていたのだ。

 遭難事故も起きた乗鞍岳線を棚上げしている、人の命をどのように考えているのか。

 2010年3月12日の日付け、この日に策定したと思われる。2009年6月15日私と下山会長兼支部長が十和田自然保護官事務所を訪問した際、当時の福井首席保護官は「道路は南八甲田だけでない、奥入瀬も含め十数本ある。これを全て国でやるというのは無理があるので、今年度中に関係者で割り振りたい」と答弁。今年3月17日付けお尋ねへの回答では、平成21年度の「地域整備計画」として策定したとの回答。

しかし、その裏では我々に意見を聞くことなく「南八甲田登山道維持・管理方針」を策定し、隠していたのだ。 環境省本省は何か決める時、国民からパブリックコメントを聴取しているのに。こんな卑劣なやり方を許すわけにはいかない。 9月7日平成21年度策定の「地域整備計画」の抜粋をいただく。読むが登山道を割り振りした形跡は無い。その場しのぎの答弁をしたと断ぜざるを得ない。                                                      (報告・成田茂則)