南八甲田登山道管理連絡会に山岳7団体が整備要請を行う。
要請
令和 5年 2月 1日
南八甲田登山道管理連絡会 事務局
環境省十和田八幡平国立公園管理事務所
所長 深谷雪雄 殿
青森県山岳連盟
会長 服部一雄
日本山岳会青森支部
支部長 須々田秀美
HATあおもり
代表 中村 勉
青森県勤労者山岳連盟
会長 清野嘉樹
あおもり・自然公園指導員の会
会長 平川久仁
十和田山岳振興協議会
会長 山崎政光
青森市山岳団体連絡会
会長 花田裕二
「南八甲田登山道」整備に関する要請
謹啓 貴職におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃、自然環境保護に格別のご配慮をいただき深く感謝申し上げます。
さて、2007年4月11日付で青森県山岳連盟、日本山岳会青森支部、青森県勤労者山岳連盟は三団体連名で「南八甲田登山道整備」に関する要請を行いました。
その後2017年3月に貴省は「櫛ヶ峯線は整備し、駒ヶ峯線及び乗鞍岳線は当面管理を行わない」とし、櫛ヶ峯線を国直轄で整備し現在に至っております。
以降、駒ヶ峯線及び乗鞍岳線は未だ手つかずのままで、今年3月で丸6年経過することになります。
自然公園法第1条(目的)「この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする。」とあります、この法律の本旨は「保護と利用の両立」を図ることと定めております。
自然は国民みんなのものであり、多くの国民に南八甲田の美しい自然に触れていただ自然は大切に守っていくものだとの思想を育んでいくことが国立公園の役割でもあると思います。
2007年4月11日の要請時には、三団体から登山道整備のための人手を提供する旨を申し上げました。
貴省からは「登山道整備にご協力いただけるとの貴団体のお申し出に感謝する」との回答をいただいております。
そして2017年から2019年と刈り払いに協力してまいりました。
南八甲田の自然を後世に引き継いでいくため、今後も刈り払い等に携わる覚悟を持ち、以下の要請をいたします。
記
1、自然環境に配慮し、駒ヶ峯線及び乗鞍岳線の内、櫛ヶ峯線の派生ルートとして次のルートの整備を要請します。
①黄瀬川源流部登山口~駒ヶ峯
②一ノ沢口~乗鞍岳
③地獄峠付近登山口~黄瀬沼
2、長期間、南八甲田の自然や登山道管理に携わる職員の配置を要請します。
2007年4月11日、三団体連名で「南八甲田登山道整備」に関する要請を行い15年経過しておりますが、
この間担当された自然保護官の皆様はいずれも2~3年で異動され、中には私どもの要請に真摯とはいえない対応をされた方もおられました。
既存の登山道の整備を行わず廃道化を進めているのは、全国の国立公園の中でもここだけです、極めて異常と言わざるを得ません。
国立公園・南八甲田の自然や登山道管理を長期的な視点を持ち携わる職員の不在もその一因と思われます。
貴省の諸事情もあるかとも思いますが、地元で長期間にわたって勤務していただき、
南八甲田の自然や登山道管理に大いなる熱意を持って携わる職員の配置を要請します。
是非とも実現を切望します。
謹白
連絡先 〒030-0919 青森市はまなす2-11-15 成田茂則
お世話になっております。
先日の南八甲田登山道管理連絡会では、様々な情報を提供下さり、ありがとうございます。
令和5年2月21日付、貴山岳会他より連名で当所長あて要請がありました件、僭越ながら小職から回答を申し上げます。
■貴要請の内容(要点)
1、自然環境に配慮し、駒ヶ峯線及び乗鞍岳線の内、櫛ヶ峯線の派生ルートとして次のルートの整備を要請します。
①黄瀬川源流部登山口~駒ヶ峯
②一ノ沢口~乗鞍岳
③地獄峠付近登山口~黄瀬沼
2、長期間、南八甲田の自然や登山道管理に携わる職員の配置を要請します。
2007年4月11日、三団体連名で「南八甲田登山道整備」に関する要請を行い15年経過しておりますが、
この間担当された自然保護官の皆様はいずれも2~3年で異動され、中には私どもの要請に真摯とはいえない対応をされた方もおられました。
既存の登山道の整備を行わず廃道化を進めているのは、全国の国立公園の中でもここだけです、極めて異常と言わざるを得ません。
国立公園・南八甲田の自然や登山道管理を長期的な視点を持ち携わる職員の不在もその一因と思われます。
貴省の諸事情もあるかとも思いますが、地元で長期間にわたって勤務していただき、南八甲田の自然や登山道管理に大いなる熱意を持って携わる
職員の配置を要請します。
是非とも実現を切望します。
■当方よりの回答
1への回答
①~③のいずれも関係する国、県、市といった多方面との調整が必要であることから、これら関係機関と協力して現況把握に努めます。
2への回答
南八甲田を含む山岳地登山道管理については、長期的な視点をもって関係行政機関、関係する地域団体、
有識者等と議論を深める必要があると認識しております。
職員の配置については、職員の数が限られている中で、当事務所一体で登山道の現状や管理に関する所属職員の理解を深めることにより、
登山道の適正管理を推進することができるよう努めます。
以上です。
今後も要請をいただきました各山岳団体との連携を図ってまいりたいと存じますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。
令和5年3月6日
東北地方環境事務所十和田八幡平国立公園管理事務所 国立公園保護管理企画官