@南八甲田登山道問題の経過

2007年 4月 環境省東北地方環境事務所、林野庁三八上北森林管理署、青森県観光企画課、青森県
          自然保護課へ、青森県山岳連盟、日本山岳会青森支部、青森県勤労者山岳連盟が三団体連名で
          「南八甲田登山道整備に関する要請」を行う。  
要請文

2007年 5月 青森県の両課よりは、「国立公園は環境省の所管で、県としては主体的に整備する立場にな

                 い、あるいは県の関与は自ずと限界がある」との回答をいただく。回答文

2007年 8月 要請でも指摘・懸念した遭難事故が南八甲田乗鞍岳で起きる。(山中二泊三日迷うも、好天
          に恵まれ自力下山した)

2007年 9月 南八甲田登山道連絡協議会(以下、連絡協議会と略す)にて、刈り払いの方針を示される。

2007年 9月 連絡協議会が刈り払いの現地確認を行い、南八甲田縦走線(猿倉温泉〜櫛ケ峰)、駒ケ峰
          線の刈り払いを実施。

2008年 3月 連絡協議会が説明会を開催。
            「現地調査の中間報告を行い、必要最小限の登山道整備を行う」とした。

2008年 9月 連絡協議会を開催。

          「現地調査の報告を行い、優先度をつけ植生保全対策を行う」とした。
          「役所の方も発言せよ」との声が出たが、発言なし。

2008年11月 青森県勤労者山岳連盟、環境省本庁へ要請。
            「いかに自然を保全するかが重要だ、その中で利用をはかっていく。必要最小限の整備は
           しなければならない。踏み荒らしの復元をしている。環境省としては登山道整備はやりたい、

            現場現場でやる。」との回答を得る。 詳細は労山あおもり2.pdf へのリンク

2009年 6月 環境省十和田自然保護官事務所へ、三団体代表が訪問し登山道整備を要請。
                「道路は南八甲田だけでない、奥入瀬も含め十数本ある。これを全て国でやるというのは無
          理があるので、今年度中に関係者で割り振りたい」との答弁。

2009年 9月 連絡協議会がササ刈り前現地調査を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。
2010年 9月 連絡協議会がササ刈り前現地調査を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。
          「連絡協議会側が『植物が体に触れ、登山の妨げになるという理由では実施しない』との要

          項を予め決めての現地調査なので、ササ刈りしたと言っても、とても登山道と言える代物で
            ない。我々はこの要項に同意していない、要項を決める場に登山団体を呼んで欲しい旨」要
            望。「連絡協議会の場に伝える」との回答を得ている。
2010年11月 南八甲田以外でも県内登山道の荒廃・ヤブ化が目立ってきたので、三団体でシンポジウム
          「青森県の登山道を考える」を開催。113名が参集し、県内登山道の整備を訴えられる。(資料1)
          うち青森県勤労者山岳連盟47名参加。

2011.2.21 上記の経過文書を添付し、環境省十和田保護官事務所・七目木保護官へ@2008年9月の連絡協議会で、
             「優先度をつけ行うとした植生保全対策」は行われているか? 
            A2009年6月 
福井首席保護官が話した「今年度中に関係者で割り振りたい」との話の進展は?
          B2010年9月の成田の要望は、連絡協議会の場でどのような扱いになったか? とメールで尋ねる。
2011.3.1  七目木氏に電話かけて聞く、@ロープ等を張って行っている A話し合いは持っている 
          Bまだ会議は開いていない とのこと。 メールで回答して欲しい旨話す。

2011.3.17 回答が来ないので、公式要請文を県連会長名で福井・七目木両名にメールする。

2011.3.17 直ぐに回答が来る。
          @ロープ柵の設置、迂回路発生防止の為のササ刈り等を行っている。恒久的措置は今後調査を実施し
          検討する。A登山道だけでなく、優先的に実施する国立公園事業全般について、関係機関等と調整
          (役割確認)の上、平成21年度に「地域整備計画」として策定した。B近日中に開催する連絡協議会
          の議題とする予定です。との内容。(資料2


2011.9.2  環境省十和田自然保護官事務所を青森県勤労者山岳連盟・成田が訪問し登山道整備を要請。
          
「歩いて見て櫛ケ峰線の現状はわかっている、今年はササだけでなく木も切るつもりだ。」
          
との回答。 6/17県へ要請した回答に有った「南八甲田登山道維持・管理方針」をいただく。

          2010年3月12日付け文書、櫛ケ峰線は「短期計画」(当面3年以内に行う)になって
          刈り払うことになっていたが、乗鞍岳線・駒ケ峰線は「中長期計画」にくくられている。(資料3)

2011.9.7  平成21年度策定の「地域整備計画」の抜粋をいただく。読むが登山道を割り振りした形跡は無い。
          2009年6月答弁、2011.3.17回答とつじつまが合わない。

2011.9.8  連絡協議会がササ刈り前現地調査(資料4)を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。

2011.10.2 「登山の日in八甲田」(八戸地区山岳協議会主催)乗鞍岳登山を青森県山岳連盟服部会長、日本山岳会
          青森支部大久保支部長、青森県勤労者山岳連盟成田会長が相談し、三団体で後援
し、県会議員にも参
          加を呼びかけた。古村一雄県会議員が参加、総勢83名参加。
          うち青森県勤労者山岳連盟(八戸労山除く) 20名参加。  
フォト

2011.11.14 環境省十和田自然保護官事務所を青森県山岳連盟服部会長、日本山岳会青森支部大久保支部長
          
青森県勤労者山岳連盟成田会長が訪問し、@諸会合の場に日本山岳会青森支部とHAT−J青森支部
          
を加えてほしい、A「南八甲田登山道維持・管理方針」について、県民の意見を聴く場を設けてほしい
          
B南八甲田登山道の整備を進めてほしい旨要請。

                「今後、洗掘・泥対策もやりたい、その時会合を持ち意見を聞きたいので協力してほしい」との回答。
          
(資料5)

2012.9.6
   連絡協議会がササ等刈り払い前現地調査を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。
             当県連より成田茂則、對馬和栄が参加、箇所箇所で意見を出し、昨年より多く木もきることになり、前進
          した。  しかし、植物が体に触れ、登山の妨げになるという理由では切らないため、
          とても
登山道と言える代物ではない、依然難路・悪路である。  フォト

2013.6.24 首席自然保護官が交代された環境省十和田自然保護官事務所を、青森県山岳連盟服部会長、日本山
          岳会青森支部大久保支部長、青森県勤労者山岳連盟成田会長が表敬訪問し、 「南八甲田登山道の
          今後の方向」について、県民の意見を聴く場を設けてほしい旨要請
検討していただくことになった。

2013.9.6  連絡協議会がササ等刈り払い前現地調査を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。
          登山道をふさぎ、しゃがんでもまたいでも通れない木を切る等整備は前進しています。

2014.10.1 連絡協議会がササ等刈り払い前現地調査を行い、その後南八甲田縦走線の刈り払いを行う。
          登山道をふさぎ、通行の妨げになっている木を数多く切ることを確認。
          猿倉温泉〜櫛ケ峰はだいぶ歩き易くなりました。  
フォト

2015.3.17 連絡協議会が「南八甲田登山道意見交換会」を開催。  
          自粛看板の見直しを提案される、現状点線で表示している「赤沼〜赤倉岳、旧道より合流する間道」消し
          (=廃道)、現状実線の「猿倉温泉〜猿倉岳〜駒ヶ峰」「乗鞍岳〜黄瀬沼〜旧道」点線にしたいとのこと。
          その理由は、ヤブにより道迷い遭難の危険が有り、安全性が危惧されるので自粛ルートにするというも
          の。
          我々が再三再四要望してきた刈り払いを行わずこの提案、怒りが込み上げてきた。(資料6)

2015.5.28 連絡協議会が「南八甲田登山道意見交換会」を開催。  
          環境省より駒ヶ峰線・乗鞍岳線に登山自粛の看板を掛ける考えが文言を変え再提案される。
          当連盟は、自然公園法の趣旨「保護と利用の増進」にも反する、また自分たちが作った管理計画にも

          「必要最小限の刈り払いを行う」とあるのにどうしてこのような提案になるのか、
          これまでの経過を文書にして提出し考察した意見を発表し、刈り払いを求めた。
          結果、7月5日駒ヶ峰線の調査を行い、その後検討することになる
。 詳細
  

2015.7.5  連絡協議会が駒ヶ峰線の調査を行う。 フォト

2015.7.30 連絡協議会が「南八甲田登山道意見交換会」を開催。
            環境省より「猿倉温泉〜櫛ヶ峰山頂迄を林野庁より貸付を受け、国が直轄で管理する」考えが示され、
          9月に皆さんの協力を得てさらに整備したいと提案される。(南八甲田は全て管理者不在道です。)
          駒ヶ峰線や乗鞍岳線の今後に懸念は残るものの、一歩前進と受け止め了承する。
          北八甲田の管理外登山道が、青森県と青森市が協力し来年刈り払いを行う動きになっています。
          駒ヶ峰線や乗鞍岳線も青森県や十和田市が貸付を受け、管理すれば整備が進むと思われる。

2016.8.27 連絡協議会が南八甲田登山道合同パトロールを実施。 フォト
          
行政、山岳関係者15名参加(当連盟は2名)、地獄峠付近までパトロールし支障木を除去する。
            頭に当たる木が無くなり、かなり歩き易くなった。今後、笹の刈り払いが必要。

2016.9.12 連絡協議会が「南八甲田登山道意見交換会」を開催。
            環境省より「猿倉温泉〜櫛ヶ峰山頂迄を林野庁より貸付を受け、国が直轄で管理する」管理方針(たたき台)が提案される。
          (南八甲田は全て管理者不在道です。)
          当面、駒ヶ峰線や乗鞍岳線の管理を行わない方針に懸念は残るものの、整備反対意見との調和点と判断し了承する。
          しかし、 「当面、駒ヶ峰線や乗鞍岳線の管理を行わない」との方針が示されているにもかかわらず、一人が
          「櫛ヶ峰線で植生荒廃の危険性は無いとするものの、駒ヶ峰線と乗鞍岳線の保護策が無いので同意出来ない」と反対する。
          環境省は、今会議はたたき台を示したので議論を継続したいとし閉会した
          

2016.10.12 連絡協議会が「南八甲田登山道意見交換会」を開催。
            環境省より「猿倉温泉〜櫛ヶ峰山頂迄を林野庁より貸付を受け、国が直轄で管理する」管理方針(たたき台)が
          前回提案に植生の保護等を盛り込んだ修正提案が示される。
          文言や駒ヶ峰線や乗鞍岳線の管理を行わない方針に問題点はは残るものの、環境省が正面から登山道整備を捉えてくれたことを評価し了          承する。
          他の出席者も全員が了承する。

2017.3.3    官のみの「連絡協議会」から我々山岳団体等民間も加えた「南八甲田登山道管理連絡会」が発足。

       櫛ヶ峰線を整備することとなる。(ようやく我々も正式メンバーとなった。)

2017.6.25,29  南八甲田登山道管理連絡会が駒ヶ峰入口付近まで刈り払いを実施、かなり歩き易くなった。

       今後、櫛ヶ峰上部の刈り払いが必要。

2018.9.13    南八甲田登山道管理連絡会が櫛ヶ峰入口付近まで刈り払いを実施。
      意見を交換する場を設けてほしい旨要望、10〜11月に開催するとの答弁あり。

2018.11.7    南八甲田登山道管理連絡会が意見交換会を開催。
      9月の刈り払いの経過報告と今後の整備予定について意見を交換する。
      林野庁よりの貸付は今年度中とのこと、遅すぎると苦言を呈する。


2019.7.31   南八甲田登山道管理連絡会が櫛ヶ峯入口付近まで刈り払いを実施。     フォト

2019.9.17-18   環境省の依頼を受け、手つかずになっていた櫛ヶ峯入口から山頂までの刈り払いを
       十和田山岳振興協議会と当連盟で実施。当連盟は最奥部を担当し18日終了。     フォト
       ヤブをこがなくても歩けるようになった。 

2021.2.17    南八甲田登山道管理連絡会が意見交換会を開催。
       今年の整備を9月末までに行うことを確認した。

2021.6.22   南八甲田登山道管理連絡会が櫛ヶ峯山頂まで巡視登山を実施。


2022.7.5   南八甲田登山道管理連絡会が櫛ヶ峯山頂まで巡視登山を実施。  フォト

2023.2.1   南八甲田登山道管理連絡会事務局の十和田八幡平国立公園管理事務所長へ山岳7団体で整備要請し具体的提案を行う。
      
要請文

2023.2.28  南八甲田登山道管理連絡会が開かれ登山道の現況について調査することが確認された。

2023.3.6   南八甲田登山道管理連絡会事務局の十和田八幡平国立公園管理事務所長への山岳7団体共同の整備要請に対して、
      保護管理官から「関係機関と協力して登山道の現況把握に努める」との回答をメールでいただく。
回答書